FCPのメディアのトランスコード
再生用メディアを変更する

 FCP(Final Cut Pro ファイナルカットプロ)では、メディアの読み込み時に「最適化メディア」や「プロキシメディア」の作成について設定します。この2種類のメディアは、オリジナルメディアをトランスコード(変換)して作成します。メディアのトランスコードは、ライブラリ作成後に行うこともできます。

最適化メディアなどの生成について

 メディアの読み込み時に、最適化メディア、プロキシメディアの作成を行わなかった場合、後からこれらのメディアを生成することができます。オリジナルメディアが思ったよりもスムーズに再生できなかったときやプロキシメディアの画質を変更したい場合などに便利な機能です。ただし、プロキシメディアの画質変更をする場合は、作成済みのプロキシメディアを一旦削除する必要があります。プロキシメディアなど、トランスコードされたファイルの削除は、「生成ファイルの削除」メニューで行います。詳しくは、こちらをご覧ください。

メディアをトランスコードする

 イベント内のクリップか、クリップが格納されたイベントを選択し、

  • メニューバー→ファイル→メディアをトランスコード…
  • 右クリック→メディアをトランスコード…

と操作すると、「メディアをトランスコード」画面(48_fig_02)が表示されます。必要な項目をチェックして「OK」をクリックすると、選択したクリップや、選択したイベント内にあるクリップのオリジナルメディアを、指定した形式にトランスコードします。ライブラリなどを選択した場合については、次項でまとめました。

FCP画面 48_fig_01
FCP画面 48_fig_02

選択する項目での違い

 それほど複雑な挙動ではありませんが、いくつかのケースを試してみました。

  • ライブラリーを選択したとき、「メディアをトランスコード…」メニューはグレー表示で選択できない(48_fig_03)。
  • イベントか、イベント内のクリップを選択したとき、「メディアをトランスコード…」メニューを選択できる(48_fig_04)。
  • 最適化メディアやプロキシメディアを作成済みのイベントや、イベント内のクリップを選択したとき、「メディアをトランスコード」画面のチェックボックスで、作成済みの項目はグレーで表示されて選択できない(48_fig_05)。png画像など、トランスコードの必要がないクリップを選択した場合も同様
  • クリップの無いイベントを選択した場合は、「メディアをトランスコード…」メニューを選択しても、「メディアをトランスコード」画面が表示されない。
  • タイムラインでクリップを選択しても、「メディアをトランスコード…」メニューは、グレー表示で選択できない(48_fig_03)。
  • 1個以上のクリップを選択したときは、選択したクリップのオリジナルメディアをトランスコードする。
  • 1個以上のイベントを選択したときは、選択したイベントに格納されたクリップのオリジナルメディアをトランスコードする。
  • ストレージ上の、ライブラリーの「パッケージの内容」には、イベントごとにトランスコードされたメディアが保存される。
  • プロジェクトを選択したとき、「メディアをトランスコード…」メニューを選択して「メディアをトランスコード画面」を表示できるが、トランスコードする項目が全てグレー表示で選択できない(48_fig_06)。つまり、プロジェクトを選択してもメディアのトランスコード処理はできない

 要約すると、イベントかイベント内のクリップを選択すると、最適化メディア・プロキシメディアのうち、未作成のものをトランスコード処理・作成できます。

FCP画面 48_fig_03 「メディアをトランスコード…」がグレーで選択できない
FCP画面 48_fig_04 「メディアをトランスコード…」が選択できる状態
FCP画面 48_fig_05 処理できない或いは必要ない項目はグレー表示に
FCP画面 48_fig_06 全て選択できない状態

トランスコードされるメディアファイルの種類

 生成される最適化メディアはProResのHigh Quality Mediaで、ProRes422形式です。

 プロキシメディアは、

  • ProRes proxy形式とH.264形式から選択できる。
  • サイズは、「12.5%」「25%」「50%」「ソースと同じ(100%)」か、「3840 x 2160」「1920 x 1080」「960 x 540」から選択(48_fig_07)。
  • %は一辺のピクセル数の割合で、総ピクセル数の割合ではない。画面の横幅が3840pxの50%は1920pxといった具合で、総ピクセル数としては25%になる。
  • 1920 x 1080のクリップを「3840 x 2160」に指定した場合、1920 x 1080で作成される。アップコンバートはされない
FCP画面 48_fig_07 プロキシメディアのサイズ選択メニュー

おまけ トランスコードしたメディアの容量

トランスコードされたメデイアのファイルサイズは、FX30で収録したiフレームなしのmp4ファイルの場合、
 オリジナル:25秒で201.5MBのファイルが、
 最適化メディア:1.38GB(オリジナルの約6.9倍)
 同じピクセル数(100%)のProResプロキシメディア:439.4MB(オリジナルの約2.2倍)
 同じピクセル数(100%)のH.264プロキシメディア:85.1MB(オリジナルの約0.42倍)
でした。画像の細かさや、動きによって容量の差は異なると思います。一例とお考えください。

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