logicool MX VERTICAL 縦型マウス
logicool(ロジクール)というメーカーの縦型マウスについて記載します。AppleのMagic Mouse(マジックマウス)をずっと使ってきたのですが、5年ほど前に腕に痛みを感じてこのマウスに買い替えました。結論からいうと、このマウスへの買い替えは大正解で、腕の痛みやそれに関連すると思われる頭痛も軽減しました。
INDEX
AppleのMagic Mouse(マジックマウス)
Appleのマジックマウスは、マウスとトラックパッドを一体化したような自由さでポインタを移動することができ、特にビデオ編集でタイムラインを横スクロールする際にとても便利なマウスです。私も長らくマジックマウスを使ってきたのですが、数年前に腕の痛みやそれに関連すると思われる頭痛がひどくなり、もしかしたらマウスに原因があるかもしれないと考えました。
Appleのマジックマウスは、上面をトラックパッドのように縦横自由に操作することができます。しかし、この面を操作するには親指と薬指や小指でマウスを保持し、人差し指と中指で上面をなぞるように操作する必要があります。この時人差し指と中指は、スクロールやスワイプなどの操作時以外、操作面から浮かせていないと、誤操作の原因になります。この人差し指と中指を僅かに浮かせた状態を維持し続けることが、腕の痛みの原因の一つになっていたのではと思います。
エルゴノミックデザインと縦型マウス
エルゴノミックデザインという言葉があります。人間工学に基づいてデザインをするといった意味で、人体の形や動作、関節の可動範囲を考慮してデザインされたものを指します。ずいぶん昔にやたらと流行ったことがあり、当時は単に流線形状のクネクネとしただけのデザインのものが多く、本質的に人間工学に基づいているといった印象のものは少なかったように思います。
こういった経験もあり、エルゴノミックという言葉にあまりいい印象が無かったのですが、とりあえず腕は痛いし頭も痛いでは作業にならないので、「エルゴノミック マウス」で検索をして出てきたのがロジクールの縦型マウスです。

Appleのマジックマウス(左)とロジクールのMX VERTICAL(右)(写真のマウスはいずれも数年使用したもので、各所に汚れなどがあります)
logicool(ロジクール) MX VERTICAL 縦型マウス
デザイン
現在は縦型マウスが多く発売されているようですが、ロジクールのMX VERTICAL 縦型マウスは、その中でも初期に発売されたものだと思います。私がこのマウスを購入した当時、縦型形状のマウスは他に無かったように思います。
MX VERTICALマウスについてロジクールのホームページでの説明によると、マウスを操作するために手のひらを机の面に対して水平にせず、手のひらをやや縦向き姿勢でマウスを持つと、手首や腕への負担が少ないようです。そのため、このマウスは通常は上面になる部分がほぼ縦向きに設計されています。正確には垂直というわけではなく、57度に傾斜しているようです。
また、単にマウスを縦にしただけの形状ではなく、親指側にサムレストとなるようなデザインを施し、自然な姿勢でマウスを持つことができます。

MX VERTICAL クリックボタン側(写真のマウスは5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)

MX VERTICAL 親指ボタン側(写真のマウスは5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)
全体として、僅かに私の手には大きい印象です。人差し指がホイールに届くようにマウスを持つと、親指側の操作ボタン(pc06_photo_03でマウス上部側面に見える横長のボタン)が少し押しにくいと感じます。届かないほどではないので、僅かに大きいかなという程度ですが。

MX VERTICAL 上から(写真のマウスは5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)
腕の負担
腕への負担軽減という点では、びっくりするくらいに効果テキメンでした。数日使うと腕の痛みが引いてきて、それに伴って頭痛もかなり軽減されました。マジックマウス使用時の独特の人差し指と中指を浮かせる姿勢をとらなくなったことが大きいのか、或いはこのマウスの57度に傾斜した縦型デザインが腕に優しいのかは解りませんが、下腕の外側にあった痛みは嘘のように引きました。特保マークをつけても良いレベルのマウスだと思います。
マジックマウスがそれほどに腕に負担がかかるのかというと、今思えば腕が痛くなったのはコロナ騒ぎの頃で、当時勤めていた会社も在宅勤務体制となっていたことも関連しているかもしれません。自宅での作業なので、ついつい長時間にわたって編集作業を続けたりと、マウスを使い続ける時間が長すぎたのかもしれません。それでも、同じ作業時間をこなしても、腕の痛みが改善したこのMX VERTICALの縦型デザインは、エルゴノミックデザインとして相当に優秀だと思います。コロナで在宅勤務だった当時、週に1回だけ出勤日があったのですが、出勤時に会社のマジックマウスを使うと痛みがぶり返すため、このマウスを持参するほどでした。
ボタン類
縦型デザインであること以外は、特に目立って多機能という印象はありません。ごくシンプルなマウスに比べて追加されているのは、pc05_photo_06に見える親指側側面の2つのボタンと上面の1つのボタンの合計3つだけです。

MX VERTICAL のボタン(写真のマウスは5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)

MX VERTICAL のスクロールホイール(写真のマウスは5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)
このマウスにはLogi Optionsという専用のアプリが対応していて、上記の3つのボタンに加え、スクロールホイールを押し込んだ際の動作も含めた4つの押下操作に対して、専用アプリから機能を登録することができます。

Logi Optionsでは4つのボタンの機能を設定することができる
マジックマウスからの持ち替えということで、私はこれらのボタンには横スクロール機能を中心に登録しています。側面の親指ボタンに横スクロール、ホイールを押しながらの操作にスクロール機能、上面の親指ボタンにはミッションコントロールというMacの画面切り替え機能を登録しています。
その後調べたら、Macのショートカット機能で、「shift + ホイールのスクロール」で横スクロールができることを知りました。このショートカットを使えばマウスボタンに横スクロール機能を設定する必要はないのですが、慣れてしまったのでそのままです。

Logi Optionsのボタン設定画面
Bluetooth(ブルートゥース)接続
3つの機器を登録することができ、マウス底面のボタンで接続する機器を切り替えることができます。複数の機器を登録できると、一つのマウスを自宅と会社で使うといった場合などにも便利です。

MX VERTICAL 底面のBluetooth切り替えボタン(5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)
また、ボタン機能を登録するLogi Optionsというアプリでは、「Flow」という機能で左右に並べた2台のパソコンの画面を、マルチモニタをカーソルが行き来するかのようにカーソルを移動させることができ、Bluetooth(ブルートゥース)を切り替えることなく2台のパソコンに接続することができます。

Logi OptionsのFlow設定画面
ただし、接続するパソコンが切り替わる際には若干のもたつきがあり、驚くほど快適という印象ではありません。隣あったパソコンの画面の隣接する画面端がBluetooth(ブルートゥース)の切り替えスイッチとして機能するようで、カーソルがこの画面隅に行くと、パソコンを切り替えるモードに入り一瞬カーソルが動かなくなります。これが案外不快で、不用意に画面の隅にカーソルを移動させないよう気を配る必要があり、カーソルを画面内で頻繁に移動させるビデオ編集などの作業には向かない機能のように感じます。
充電ポート
ごく一般的なワイヤレスマウスとしては当然なデザインなのでしょうが、マジックマウスユーザーとしてはとても嬉しいのが充電ポートの位置です。マジックマウスは本体の底面に充電用の端子が付いているため、充電中にマウスを使うことができません。
これに対してMX VERTICALは、有線マウスのケーブルのような位置に充電コードが挿さります。当たり前のデザインですが、不意に電池が切れても作業を中断せず、充電しながらマウスを使えるのでとても便利です。当たり前なデザイン的配慮なのでしょうが、マジックマウスユーザーとしてはとても有難いデザインです。

MX VERTICAL に充電ケーブルを挿した状態(写真のマウスは5年ほど使用したもので、各所に汚れなどがあります)
バッテリー
MX VERTICALはバッテリー内蔵型です。バッテリーの交換機能はないように見えるので、充放電を繰り返してバッテリーが劣化・消耗したら、本体ごと買い換える必要があります。使用4年目くらいからバッテリーの減りが早くなってきたかな、と感じて現在5年目です。
なお、現在は若干デザインの異なる電池タイプのモデルもあるようです。
経年変化
マウス本体は表面にラバーコートが施されているのですが、操作時に指の当たる部分のコートが剥がれてきているようです。時々親指のあたりに消しゴムのカスのようにまとわりつくゴミが気になることがあります。このラバーコートの劣化とバッテリーの消耗が若干気になる程度で、5年近く使って目立った故障はありません。
まとめ
マジックマウスの長時間使用で腕への負担を感じたら、買い替え候補として最適なマウスだと思います。縦型にデザインすることで手首や下腕への負担を減らしたデザインは、優れたエルゴノミックデザインと言えるでしょう。
ビデオ編集時にはタイムラインをスクロールするために横スクロールが簡単にできるAppleのマジックマウスが手放せないように思いますが、shift + スクロールホイールの操作で、一般的なマウスでも横スクロールができます。また、MX VERTICALに対応したLogi Optionsという専用のアプリで、マウスに搭載されたボタンに横スクロールを割り当てることも可能です。
唯一の不満は、外出時に持ち出す時、独特な形状のためにカバンの中でかさばることです。
私は今後縦型マウス以外を購入することはないだろうと思うほど、腕への負担が減り快適です。バッテリーの劣化など買い替えを検討する必要がありますが、縦型マウスの中から選ぶ予定です。
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