SmallRig FX3/FX30用ケージ(4183)

 少し前に、SmallRigというリグメーカーのFX30用ケージ(4183を購入しました。縦位置(縦構図)の動画の依頼があるかもしれないという話があって、三脚にカメラを縦向きに固定できるよう購入してみたパーツです。その後、縦位置撮影の依頼はなく、購入した目的での使用をしないままに数ヶ月経ってしまいました。

写真 c07_photo_01
FX30にケージを取り付けたところ(前)
写真 c07_photo_02
FX30にケージを取り付けたところ(後)

SmallRigというメーカー

 2013年創業の中国のリグパーツメーカーで、近年は三脚やライトなど、リグパーツ以外の製品も製造・販売しています。
 私は2016年頃に別のカメラのケージを探してSmallRigの製品も調べたのですが、当時のSmallRigはプレートパーツと支柱パーツを組み立てて枠状の形になるケージを製造していました。そのため、デザインが無骨で、他のリグパーツメーカーに比べてやや見劣りするものでした。しかし、近年は複雑な形状のケージを一体成形で製造するなど、驚くほど加工技術が向上し、他のリグパーツメーカーに引けを取らない出来栄えです。

パッケージと同梱パーツ

 面倒なので写真を撮っていませんが、ボール紙の紙箱のパッケージで、製品形状にくり抜いたスポンジに各パーツが収められて届きます。実用品なのだから、パッケージにコストをかけなくてもと思う反面、ちょっとした精密機器が届いたようで気分が上がります
 パーツ構成は、c07_photo_03のとおりで、以下のパーツが入っています。

  • ケージ本体
  • ケージ固定用のネジ3点(側面用2点と底部三脚穴用1点)
  • HDMIケーブル固定用のクランプ
  • トップハンドル取り付け用のNATOレール(FX3/FX30のトップハンドル用ではありません)
  • ケージ取り付け用のドライバー
写真 c07_photo_03
SmallRigのFX3/FX30用ケージと同梱されているパーツ

価格と購入サイト

 上記の内容で、2024年4月の注文時点でAmazonで12,145円でした。11月にAmazonの価格を調べなおしたら18,289円と少し値上がりしていました。この年の7月頃にかけてかなり円安が進んだので、その影響だと思います。
 SmallRigは公式サイトからも購入できるのですが、価格はAmazonと同じ価格です。一方で、納期的な面ではSmallRig公式サイトよりもAmazonの方が早く届くようです。公式サイトの方は、商品によっては中国からの発送となり、かなり時間がかかる場合もあります。公式サイトで使えるクーポンなどを持っているのでなければ、Amazonでの購入の方が納期の面で利便性が高いと言えます。
 SmallRig FX3/30用ケージ(4183)のAmazonサイトへのリンクはこちらです。

取り付け

 ケージのカメラ本体への取り付けは、カメラ底部と側面2点の合計3点で固定します(c07_photo_4から6)。

写真 c07_photo_04
底面のリグ固定ネジ
写真 c07_photo_05
端子部側のリグ固定ネジ
写真 c07_photo_06
グリップ側のリグ固定ネジ

 3点での固定になるので、リグが回転してネジが緩んでしまうなどの心配がありません。また、取り付け用に小さなドライバーが付属しており、このドライバーはリグ底面にマグネットで取り付けることができます。c07_photo_04右の円形のパーツがドライバーです。リグに取り付け、取り外し用の工具を収納できるので、ロケ先での脱着もできて便利です。

デザイン

グリップ部

 本体にピッタリとフィットしたデザインで、グリップ部分もこのケージを取り付けることで握りにくくなるといったことはありませんケージ底部がFX30の小さなグリップを延長したような形になり、むしろグリップしやすくなるようにも感じます。カメラ本体にパーツを取り付けるので、当然一回り大きくはなるのですが、邪魔になるといった印象はありません。
 グリップとは反対側、カメラを液晶モニタ側から見て左側のリグの形状が適当にカメラを握りやすくしてくれて好印象です。HDMI端子部分を避けた結果の形状で、グリップのしやすさを狙ったデザインではないと思いますが、リグを装着していない状態よりも若干カメラを掴み安くなります。

ケージ上部

 カメラ背面から見て左上にコールドシューが一つ追加されるのですが、少し傾いたデザインです。傾いているのが見た目は格好いいようにも感じますが、実用的な面ではカメラ上面と並行な方が使いやすいのではと思います。
 FX30本体のシューはトップハンドルとの電気接点がありデリケートな構造なので、コールドシューが一つ追加されるのは地味に嬉しいところです。

写真 c07_photo_07
FX30にケージを取り付けた状態を背面から

 ケージの上部は連結していません。恐らく純正のトップハンドルの取り付けを邪魔しないように配慮したデザインだと思いますが、純正のトップハンドルを避けるような形でカメラ上面にもリグパーツなどを取り付けるネジ穴があると便利だったかと思います。

ストラップホール

 ケージの上部左右に2つのストラップホールがある他、ケージ底面にもストラップホールが1つあります。底面のストラップホールは、カメラを縦向きに吊るすなどに使うことができて便利です。また、ケージ底面には同社のリストストラップを取り付けるためのストラップホールもあります(c07_photo_04aでオレンジ色の丸で囲った銀色のシャフト)。

写真 c07_photo_04a
カメラ底部のリスストラップ用のストラップホール

光軸を示すライン

 ケージの側面2箇所と底面には、光軸を示す白いラインが印刷されています。三脚穴のガイドとして気の利いた配慮です。また、ネジ穴が光軸を意識して設けられているという点でも好感が持てます。

写真 c07_photo_08
カメラ側面、端子部側の光軸指標
写真 c07_photo_09
カメラ側面、グリップ側の光軸指標
写真 c07_photo_10
カメラ底部の光軸指標

バッテリー室周辺

 ケージ底面のバッテリー室周りでは、バッテリーカバーを開けるために底部の一部が可動します(c07_photo_11、12)。

写真 c07_photo_11
バッテリーカバーを逃すパーツを閉じた状態(通常時)
写真 c07_photo_12
バッテリーカバーを逃すパーツを開いた状態(バッテリー交換時)

 バッテリー交換時にはこのパーツを開く必要があり、少々面倒です。ただ、カメラを握ったときに小指があたる位置なので、ここを切り欠いてしまうわけにもいかなかったのでしょう。
 バッテリー室後方には、電源カプラー使用時のコードを逃すための溝があるなど、細かい部分までよく配慮されています。

付属品

NATOレール

 カメラボディ上部のトップハンドル取り付け用のネジ穴を使って、NATOレール用のトップハンドルを取り付けることができます。このレールパーツを取り付けると、純正のトップハンドルは取り付けることができなくなります。私は純正のトップハンドルを取り付ける機会が多いので、このNATOレールは取り付けていません。

写真 c07_photo_13
ボディ上面に取り付けることで、NATOレール用のトップハンドルなどのリグパーツを取り付けることが可能

HDMIケーブル固定パーツ

 HDMIケーブルを固定するためのパーツが付属します(c07_photo_14、15)。

写真 c07_photo_14
HDMIケーブル固定パーツ(前から)
写真 c07_photo_15
HDMIケーブル固定パーツ(後ろから)

 このパーツを使用する際には、HDMI端子のカバーを外すのかと思案したのですが、クランプの根本部分に上手く端子カバーが収まるようになっていて、カバーを外す必要はないようです。というか、そもそも端子カバーは取り外せるような機構になっていないようです。

写真 c07_photo_16
クランプ部分は、カメラのHDMI端子カバーが上手く収まるような形状になっている

 普段は、ケーブルを締め付けるためのネジが出っぱっていて邪魔なので取り付けていませんが、外部モニタなどを使用する場合には、ケーブルの不意な脱落や、端子の保護ができて便利です。

まとめ

 冒頭で記載したように、購入した本来の目的では使用していないのですが、全体としてカメラの機能が増えたようで楽しい製品です。
 当然ですが、取り付けるとカメラが一回り大きくなってしまいます。特にカメラ底面は1cmほど高さが増し、カメラバックの間仕切りの位置を変更しないとバックに収まらなくなります。そのため、必要な時以外は外そうと思っていたのですが、ストラップホールがカメラ底部に追加されるなど、普段使いにも便利な機能があり付けっぱなしで使っています。
 以前からSmallRigの製品は様々なパーツを利用してきたのですが、工作精度などの面でも安心して使える製品です。

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